サラリーマン薬剤師です。
今回は乳酸菌ではなく、ビフィズス菌についての内容です。みなさんは今までビフィズス菌と乳酸菌を区別していましたか?どちらも善玉菌と呼ばれ、腸内環境を整える働きをしてくれるため違いについて考える必要がなかったかもしれませんが、、、腸内に存在する数が圧倒的に違います!!!正直私も今回勉強するまでは数の違いについて全く知りませんでしたし、乳酸菌とビフィズス菌で同量程度存在しているのかと思っていましたが、ビフィズス菌は1~10兆個に対して乳酸菌はその1/10000~1/100しか存在しないといわれてます。よって腸内環境への寄与で考えるとビフィズス菌の方が高いでしょう!
今回はビフィズス菌の働きや有用性はもちろんのこと、腸内環境にかかわる細菌類の説明や働きについても触れたいと思います。
腸内細菌の分類と働き
腸内細菌は「善玉菌」「悪玉菌」「中間菌」の3つに大別できます。
代表例 | 働き | |
---|---|---|
善玉菌 | ビフィズス菌乳酸菌 | 整腸作用・消化吸収促進・ビタミンや有機酸の生成 |
中間菌 | バクテロイデス菌・非病原性大腸菌 | 消化吸収促進(未消化物の分解) |
悪玉菌 | ウェルシュ菌・病原性菌など | 腸内の腐敗・有害物質の生成 |
腸内環境はこの3者のバランスで決まります。善玉菌が多いと腸内は酸性に傾き悪玉菌の増殖を抑えることができます。一方で悪玉菌が多いと腸内腐敗が進み、乳酸菌やビフィズス菌が増えにくい環境になってしまいます。
腸内環境や乳酸菌の事を勉強するたびに、腸内はやや酸性が健康的なんだな!!と感じます。
私も現在乳酸菌とビフィズス菌をサプリメントで摂取していますが、飲み始めて2週間くらいしてから「便が臭いな」と感じました。もちろん臭いのは当然なのですが、今までと違う「有機的な」といいますか、、よく言うとオーガニックな臭気に代わっていたんですよね。現在は慣れてあまり感じなくなりましたが、皆さんも気にかけてみてはいかがでしょうか?
ビフィズス菌の特徴
ここからはメインテーマであるビフィズス菌の特徴について解説していきます。ビフィズス菌の特徴は乳酸菌と比較するとわかりやすいです。
・球状や棒状の細菌
・乳製品や漬物に含まれていたり、人間の腸内に生息したりしている。
・酸素があっても生息可能
一方でビフィズス菌の特徴はこちら
・棒状もしくは分岐した棒状の細菌
・主に人間の腸内に生息。
・酸素があると生息できない。
となっております。先ほどのかわいいイラストはビフィズス菌でした!生息場所が限定的なのは、ビフィズス菌が酸素に弱いことが影響しておりますが、世の中にはビフィズス菌が含まれた製品が多くありますよね?あれっていったいどうゆうこと?って思ったと思った方はこちらに模範解答がありますのでご確認ください!
特徴については以上です。次に働きについて解説します。
ビフィズス菌の働き
ビフィズス菌も乳酸菌同様に様々な種類が存在します。腸内細菌学会雑誌によると主に6族58種で構成されており、その中でも中心的存在の菌株が「Bifidobacterium属」と呼ばれるビフィズス菌のようです。
ビフィズス菌の分類法と現状と動向
↑
少し難しい内容ですが、ビフィズス菌の種類や発見の歴史などが書いてあります。
bifidobacterium属だけでも多くの種類が存在し、働きが少しずつ異なります。その中でもロンガム種と呼ばれるBB536と呼ばれる菌株が多くの生理機能が報告されている有用な菌といえます。このBB536菌が大腸まで生きた状態で届くと様々な働きをしてくれるのです!!
ビフィズス菌BB536の働き
主に森永乳業の製品に多く配合されているこのBB536ですが、人の乳児のおなかの中から発見されました。
主な働きについてまとめます。
・腸内環境を整える(整腸作用)
・腸内の悪玉菌を追い出す
・感染症の予防
・花粉症の症状の緩和
↑上の森永乳業HPリンクに各種働きのデータがあります!
ビフィズス菌の活躍の場は大腸で、大腸まで生きたまま到達することでこれらの効果を発揮することができます。BB536はほかのビフィズス菌株に比べて酸に強く、大腸まで届きやすいといわれています。大腸まで届いたビフィズス菌BB536はそこで酢酸や乳酸といった有機酸を作り、大腸内の酸性度と高めます。酸の高い状態では乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌の方が生き残りやすく、腐敗を生み出す悪玉菌を追い出すことができます。「発酵食品」と「腐った食品」の違いにも近いと思いますが、腸内でも同様の事が起こるんだ!と個人的は感じました。
酸に強いといわれているBB536ですが、さらに大腸まで届くようにマイクロカプセルに封入し、腸で溶けるように工夫された製品も出ています。森下仁丹のビフィーナという商品です!
まとめ
今回はビフィズス菌についての解説しました。乳酸菌に比べて腸内での数が多いことを知り勉強になりました。今後も特定の菌株に焦点を絞って情報発信できればいいなぁ。。。
ガセリ菌あたり調べたらおもしろいかも。