サラリーマン薬剤師です。
今回は前回説明しきれなかったプレバイオティクスについて解説していきたいと思います。
前回はプロバイオティクスについての記事を投稿し、腸内環境関連の知識をお伝えしました。腸内環境・腸内フローラの注目度がここ数年で高まっていて、それにともなってプロバイオティクス商品も数多く販売しています。ですが、ブームにのってよくない商品が多く販売されているのも事実。そこで信頼のおける情報元、製品の解説が必要と考え、皆さんに発信をしました。読んでいただけたでしょうか?まだという人は前回記事をご覧になってください!!
さて今回の本題に入ります。まず、皆さんに1つ質問!“プロ”バイオティクスと“プレ”バイオティクスの違いを認識していたでしょうか?非常に似ている単語なのでもしかしたら気が付かず一緒の物と考えていた人もいたと思います。
ですが、この似た言葉二つは全く別の物を意味しています。結論から言うと主役はプロバイオティクスでプレバイオティクスはサポート役です。あくまでも主役あってのプレバイオティクスですのでまずはこの部分を頭に入れておきましょう!!ではプレバイオティクスの定義からお話していきましょう。
プレバイオティクスの定義
プレバイオティクスは英国の微生物学者Gibsonによって1995年に提唱された用語で、プロバイオティクスが微生物を指すのに対してプレバイオティクス(prebiotics;pre 前に、先立って)は、①消化管上部で分解・吸収されない、②大腸に共生する有益な細菌の選択的な栄養源となり、それらの増殖を促進する、③大腸の腸内フローラ構成を健康的なバランスに改善し維持する、④人の健康の増進維持に役立つ、の条件を満たす食品成分を指します。
現在までに、オリゴ糖(ガラクトオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、乳果オリゴ糖、キシロオリゴ糖、イソマルオリゴ糖、ラフィノース、ラクチュロース、コーヒー豆マンノオリゴ糖、グルコン酸など)や食物繊維の一部(ポリデキストロース、イヌリン等)がプレバイオティクスとしての要件を満たす食品成分として認められています。プレバイオティクスの摂取により、乳酸菌・ビフィズス菌増殖促進作用、整腸作用、ミネラル吸収促進作用、炎症性腸疾患への予防・改善作用、などの人の健康に有益な効果が報告されています。
引用元:ヤクルト中央研究所
例によってヤクルト中央研究所から定義を引用です笑。ちなみに私、スワローズファンです(山田哲人頑張れ)!ヤクルト中央研究所のサイトはとても分かりやすく用語解説がされていて、いつも勉強にさせていただいてます。興味がある方は是非ご覧になってみてください!
毎度毎度、話がそれてすみません・・・
話を戻します。プレバイオティクスとはわかりやすく言うと「乳酸菌など有益な菌の栄養源」です。そのため人間がプレバイオティクスを栄養源として体内に吸収することはありません。プレバイオティクスとしての要件は上記引用分にある①~④ですが、それを満たす食品は約80種類くらいです。80と聞くと結構多いと感じるかもしれませんが、分類すると80種の多くがオリゴ糖類に当てはまります。オリゴ糖類はプレバイオティクスの代表格と言えるでしょう。
オリゴ糖類を含む商品は数多く発売しております。
↑こちらは甜菜という作物から抽出したオリゴ糖ですね。紅茶や飲み物に砂糖変わりに使う事ができ便利そうです!! |
↑ラクチュロースは乳酸菌と非常に相性の良いとされているプレバイオティクス商品です。こちらは二糖ですがオリゴ糖の仲間となっております。 |
プレバイオティクスの多くがオリゴ糖類なんだということはお分かりいただけたでしょうか?それでは次にオリゴ糖は何か?についてすこし説明をします。多くの人が「ありがとう、オリゴ糖」というフレーズでしかオリゴ糖を聞いたことが無いと思いますので・・
オリゴ糖とは?
糖質のうち、最小単位である単糖が2個から10個程度結びついたもので、少糖とも言う。
低消化性(低エネルギー)で、整腸作用や腸内細菌を増やす作用などが知られている。単糖が2個から10個程度結びついたもので、少糖類とも言われています。
ただし明確な定義はなく、ショ糖・麦芽糖・乳糖などの二糖類も本来はオリゴ糖の仲間といえますが、一般的には3つ以上の糖が結びついたものをオリゴ糖と呼んでいる場合が多いようです。砂糖を原料に酵素を作用させて作られるフラクトオリゴ糖や、大豆から天然成分を抽出・分離させた大豆オリゴ糖、乳糖にβ-ガラクトシダーゼを作用させたガラクトオリゴ糖などが代表的です。ビフィズス菌などの善玉菌と呼ばれる腸内細菌の栄養源となってそれらを増やす効果があり、特定保健用食品として認められています。またトレハロース・パラチノースは、むし歯になりにくいことや消化されにくくエネルギーとして使われにくいことから、代替甘味料としてよく使われています。
オリゴ糖以前に単糖とか二糖類とか言われてもわかりにくいかと思いますので実例をあげます、
・ブドウ糖や果糖→単糖
・ショ糖(上白糖)や麦芽糖(水飴)→二糖
・トレハロース・パラチノース→オリゴ糖
・デンプン→多糖類
となっており、単糖であるブドウ糖や果糖が連結する数の多さで呼び方が変わります。オリゴ糖は明確に定義されていないので、わかりやすく言うと単糖以上多糖未満の糖類となります。多くのオリゴ糖は人間が消化できない一方で、細菌は分解して栄養源にできるため乳酸菌にとって有益ということになります!!
まとめ
今回はプレバイオティクスについての解説をしました。乳酸菌などのプロバイオティクスは注目されてますが、プレバイオティクスも腸内環境にとって大事な要素ですね!!
2回にわたって腸内環境の話題を取り上げましたが、おそらく皆さんこう思ったでしょう。。
「で、腸内環境整えるのにはどの商品を選んだら良いの?」
プロバイオティクス商品・プレバイオティクス商品の各論についてはこれから記事を書きたいと思ってます!!その前に概念というか、予備知識をつけてもらいたく解説した次第です。
ですので興味のある方は今後もお楽しみください!